自己対話してますという方も、自己対話っておいしいの?という方も、みなさんこんにちは。
韓国も梅雨入りして、今週末は雨です。
さて、「自己対話や自分と向き合うことは大切だ」と言われてはいますが、実際やってみると、「しんどい」と感じることありませんか?
それは、やり方や自分自身のせいではなく、自然なことなのかもしれません🌱
私も、徹底的に自己対話するには「覚悟」が必要でした。
しんどくなるだろうな、と感じていたからです。
今回は、「自己対話がしんどく感じる理由」や、「それでも自己対話をする価値」について綴っていこうと思います。
自己対話の4つのフェーズ
自己対話がしんどく感じるのは、「どこでつまずいているのか」が自分でもわからないからかもしれません。
私なりに、自己対話のプロセスを4つのフェーズに分けてみました。
どの段階も決して良い・悪いではなく、その人にとっての通過点です。
スライドにまとめたので、もしよければ今の自分に近いものを探してみてください。
| フェーズ | 説明 | 自己対話しんどさレベル | 具体例 |
|---|---|---|---|
| とにかく生きるフェーズ | 感情には目を向けず、とにかく前へ進もうとする時期。 違和感には気づいていない、または見ないようにしている。 目の前に優先したいことがあり、そもそも自己対話の必要性を感じていなかったりする。 とにかく今を乗り切ることに集中している。 | ☆☆☆ | ・忙しい方が安心する・スマホやSNSで常に情報を追う ・旅行やイベントなど楽しいことで気を紛らわせる ・「考えても仕方ない」と感じている |
| 気づきと立ち止まりのフェーズ | 自己対話の必要性を感じ始める時期。 まだ深くは掘らないが、違和感に気づいたり、立ち止まって考えや気持ちを整理しようとする。 表面的な変化や効果を感じることがある。 | ★☆☆ | ・「なんか疲れてるかも」と思い始める ・違和感やしんどさに気づく ・やたらと同じことを考えていることに気づく ・モヤモヤを書き出してみる ・自己啓発や認知行動療法などを取り入れて、気持ちを整えようとする |
| 正面から向き合うフェーズ | 自分の感情や本音に触れ始める。 自分の課題やポジティブ・ネガティブな面を直視することになり、心が揺さぶられる。 ここで止まる人もいれば、じっくり向き合い続ける人もいる。 継続すると、ある時点から、自己受容や変化を感じ始める。 | ★★★ | ・「自分を変えたい」と強く思う ・カウンセリングやセッションに申し込む ・内観や内省で感情を深く掘る ・感情や本音に触れて涙が出る、怒りが湧く ・少しずつ、自分の中に静けさや理解が生まれ始める |
| 整えていくフェーズ | 自己受容が進み、自分にOKが出せるようになっている。 自己対話が習慣になり、しんどさを抱え込まずに、都度調整できるようになる。 心の中に“静かな場所”を持てる状態。 このフェーズには、正面から向き合うフェーズを経てたどり着いた人もいれば、自然と自己受容していた人もいる。 | ★☆☆ | ・朝のルーティン(散歩・瞑想・日記) ・ヨガやストレッチ、深呼吸・思考・感情 ・行動のバランスを取る ・「まぁいっか」と自然に手放せる ・心の揺らぎに気づき、立て直す術を知っている |
※ 「自己対話しんどさレベル」は、あくまで自己対話におけるしんどさを示したもので、生きづらさや社会生活での困難さを表すものではありません。
- とにかく生きるフェーズ
- 気づきと立ち止まりのフェーズ
- 正面から向き合うフェーズ
- 整えていくフェーズ
この中で、自己対話が「しんどい」と特に感じるのが「正面から向き合うフェーズ」です。
自分の感情や課題、ネガティブな部分や記憶とも向き合う段階になります。
「正面から向き合うフェーズ」が自己対話でいちばんしんどい理由
なぜ、「正面から向き合うフェーズ」が一番しんどいのでしょうか?
① 感情のフタが開くとき、人はゆれる
このフェーズは、どうしても感情、その中でも「ネガティブな感情」「不快な感情」に触れることになります。
🌱 長年見ないふりをしてきた本当の感情に触れる
ずっと抑えてきた悲しみ、怒り、寂しさ、虚しさをじっくり感じることになります。
🌱 自分の弱さ・醜さ・傷つきやすさを受け止めることになる
見たくない、認めたくない部分を直視することになります。
🌱 思考では処理できないことが出てくる
「感情の渦」に立たされ、どうしたらよいのか分からなくなることもあります。
涙が出る、怒りが出る、混乱する…それらは健全な反応です。
特に、抑えてきたものや溜め込んできたもの、見ないフリをして無視してきたものが、多いか、大きいか、長い期間続いていた場合には、向き合うこと自体が、より苦しく感じられるかもしれません。
② 「進んでいる感覚がない」から苦しい
このフェーズでは、向き合っている間に成果や変化が見えにくいことも、しんどさを感じる理由のひとつです。
自己対話の効果は、あとから時間差でふと気づくようなものなので、即効性を感じにくいんですよね。
答えが出ないまま、泣いたり、何もしたくなかったり…
「どのくらいで」終わるのかが見えないし、誰にもわかりません⏳
だからこそ、「こんなことやって意味あるのかな?」と感じやすくなってしまうのです。
③ 「正面から向き合うフェーズ」は諦めたくなる
不快な感情や記憶の渦に、自ら入っていくような時間。
嫌な記憶と真摯に向き合いながらも、「本当に変化があるのか?」「これを続ける意味があるのか?」という疑問が頭をよぎる💭
そんな状態になるからこそ、人から「やった方がいいよ」と言われても、やる価値を見出せないのは自然なことです。
そのため、多くの人が、このフェーズに差し掛かった時点で、耐えられずにやめたり、スキップしようとしたり。
また、変化がすぐ見える表面上の課題にだけ対処したり、もしくは、このフェーズに入っていることに気づかないままひとりで苦しみ続けるのかもしれません。
でも、ここを乗り越えると、感情が静かになり、「私はこれでよかったんだ」と腑に落ち、自己受容が始まっていくんですね。
そしてそのあとの自己対話は、日々の整えていくフェーズへと自然に移っていきます🍵
もちろん、自己受容をしたからといって、不安や恐れといったネガティブな感情が完全になくなるわけではありません。
でも、日々のなかでふと「そのままでいい」と感じられなくなることがあっても、そのたびに、また自分に戻ってこれるようになる。
それが、自己対話がもたらしてくれる力なのだと思います。
自己対話を“やる価値”とは?
「自己対話をする=しんどい思いをする」と考えると、避けたくなるのも当然です。
でも、そのしんどさの奥にあるものこそ、自分にとって本当に大切な想いや、本当の願いだったりするのです。
私が考える、自己対話をする価値はこの2つです。
- 自己受容につながる
- 自然体で生きられるようになる
自分と向き合うことで、見えてくるものがあります。
それは、自分の「弱さ」や「怖さ」、「醜さ」と感じていた部分かもしれません。
でも、それらを自分の一部として受け入れてあげることで、「このままの自分で、大丈夫なんだ」と思えるようになっていきます。
心が満ちると、優しさも分けられる
そう思えたとき、どんな自分にもやさしくなれて、自分を内側から満たすことができ、その余白を、他人に優しさとして分かち合える。
それが、私の考える生き方の自然な循環です🌱
また、「そのままの自分」に心からOKを出せることで、無理に頑張らなくて良くなり、誰かの期待に応えようとしすぎず、「私はこう思う」「私はこれを選ぶ」を選んでいいと思えるようになります。
あの有名なアドラーの「嫌われる勇気」も、自然と湧いてくるようになるかもしれません。
自己対話を続けた先にあるのは、「もっと理想の自分になること」ではなくて、「今の自分で、安心して生きられること」です。
自己対話を通して「今の自分で安心して生きられる」ようになるまでの流れについては、
こちらの記事でも「禅」の角度から書いています。
🐃 自己受容や自然体へのプロセスを、さらに俯瞰したい方は覗いてみてください。
まとめ | 自己対話をしないという選択もアリ
ということで、自己対話がなぜしんどいのか、またその価値について綴ってみました。あらためて感じたのは、やっぱり自分と向き合うって、簡単なことではないなぁと。
もしかしたら、私たちは一生をかけて、経験や成長、学びを通して少しずつ自分と向き合っているのかもしれません。
寄り道したり、遠回りしたりしながら。それぞれに、ペースがあって、タイミングがあって、出会いがある。だから、自己対話は決して「しなきゃいけないもの」ではないと思っています。
必要な人が、必要なタイミングで向き合う。徹底的にやってもいいし、ちょっとずつやってもいい。それが、いちばん自然で健やかだと思っています。
私の場合は、「自己対話のしんどさ < 現実の生きるしんどさ」だったので、覚悟を決めて、自分と向き合ってみようと思えました。
でも、そうでないタイミングも、きっとありますよね。
そのときは、「しない選択」も自然な流れだと思うのです。
あなたのペースで、あなたのタイミングで。
もしその時がきたら、ゆっくりと心の扉をノックしてみてください🚪
それでは、また次回の記事でお会いしましょう🍵
- 自己対話がしんどく感じるのは自然なこと
- 4つのフェーズのうち、特に「正面から向き合う」時期がいちばん揺れる
- 感情が動くのは、心が健やかに反応している証拠
- 変化はすぐに見えなくても、あとから静かに訪れる
- 無理せず、自分のペースで向き合えば大丈夫
- 目的は「変わること」ではなく、「今の自分と安心して生きること」
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くりちゃん|自己対話ガイド
ブログ・自己対話セッションサービス運営
神奈川県出身、現在は韓国在住。
ブログ「こころの時間」を毎週土曜日9時に更新中。


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