感情は生きる証|扱いにくさの奥にある「力」

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感情とお友達の方も、ちょっと距離を置きたい方も、こんにちは。
くり山です。

さて、今日のトピックは「感情」です。

突然ですが、皆さんは、感情に対してどんな感情がありますか?
感情そのものについてどう思いますか?

「感情大切にしてます」
「感情に悩まされています」
「感情は、できればない方が良いです」
「私は、感情が一切ありません」

—— そんな声が聞こえてきそうです。

私は、感情(ポジティブもネガティブも含めて)をすごく大切にしている人間なんですが、世間的には、感情ってあまり歓迎されていない空気があるなぁと感じます。

特に、ネガティブな感情は、敬遠されがち。
社会生活では、「感情的な人」は疎まれることもありますよね。

でも…「感情」は本当に悪なのかな?本当に疎ましいものなのかな?
感情はなぜ「扱いにくい」と思われがちなのか?

今日はそんな問いを入口にしながら、感情のいろんな側面を一緒に見つめてみて、最終的には「感情とのちょうどいい付き合い方」について考えていけたらと思っています。

〈 もくじ 〉

社会が感情に距離を置いてきた理由

そもそも、私たちの社会の構造を見てみると、感情が前面に出る場面って、意外と限られている気がします。

どちらかというと——
理性 > 感
合理性 > 感情
ルール > 感情
秩序 > 感情
思いやり > 感情

私たちが暮らしている社会は、基本的に「秩序」や「ルール」を大事にして成り立っていますよね。

社会を保つための”思いやり”

会社でも、学校でも、地域でも、感情よりも、まず理性や、他人を思いやる姿勢が求められる場面が多いです。

それは、人間社会の「調和」や「平和」を保つために、とても大切なことでもあります。
だからこそ、“調和を乱すかもしれない存在”として感情が慎重に扱われてきたのかもしれません。

実際に、感情的になって暴力的な行為に及ぶ事件もありますし、感情を爆発させることで他人を傷つけてしまうことも、確かにある。

そういう側面を見ていると、「感情を出すとトラブルになるかもしれない」「感情を出す人 = コントロールできないもの」と無意識に感じてしまうのも、ある意味自然なことですよね。

そして、感情を素直に出すこと自体が、「危ない」「面倒くさい」「大人げない」と受け止められてしまうこともありそうです。

ちなみに私は、子供の頃すごく泣き虫で、「泣き虫だね〜」とからかわれた事が、ちょっとコンプレックスでした。

感情を抑えるクセはどこから?

そんなこんなで、ルールが守れて、秩序を乱さず、理性的・合理的に動けて、ポジティブな態度の人が重宝される社会で、私たちは生きてきましたし、

実際に、この人間社会のコミュニティから、はみ出してたったひとりで生きるのはかなり大変なことです。
だからこそ、多くの人がいつの間にか、感情を抑える、感情を無視する、感情を見せない、無理に明るく優しくいる…
そんなふうに振る舞うクセを身につけてきたのかもしれません。

これらは、私たちが成長とともに学んだ、「社会の中で生きるために必要だった戦略」です。決して悪いことでも、恥ずかしいことでもありません。

むしろ、そうやって今日まで頑張って生きてきた自分に、「よくやってきたね」と声をかけてあげたいところです🌱

そのうえで、もし今、どこかに違和感や息苦しさを感じているのだとしたら—— そろそろ、抑えてきた感情たちに目を向けてみてもいい頃なのかもしれません。

感情が扱いにくく感じるワケ

実際のところ、感情に振り回されたり、うまく扱えずに困った経験って、誰にでもあると思います。

例えば、怒りや悲しみで自分を責めてしまったり、不安や焦りに飲まれて疲れ切ってしまったり、衝動的に言いすぎたり行動しすぎてあとで後悔する。

こんなふうに、感情が暴れたり、苦しくなったりすることもある。
だからといって、感情そのものが悪いわけではありません。
本当に大切なのは、「感情との付き合い方」

感情は敵ではなく、むしろ——
「自分の内側に何か大切なことがあるよ」というサイン

ちょっと扱いが難しいときもあるけれど、感情は、無意識な場所にある、私たちのことを教えてくれようとしていると捉えると付き合い方が変わります🌱

感情が人生にもたらす”本当の力”

一方で、感情って「人生に彩りをくれるもの」でもありますよね。

感情がなかったら、音楽を聴いて泣くことも、誰かの言葉に救われることも、きっとない。感動する映画やドラマや本や漫画が大ヒットしたりするのも、みんな感情を動かされたいから。

喜びも悲しみも、全部が「生きている証」なんですよね。

一瞬だけ「人間から感情がなくなった世界」を想像してみると、なんだか無機質。
感情が全くなくなったら、人生はどうなるのでしょうか?

嬉しさも、喜びも、悲しみも、怒りもない人生。

きっと、「生きてる実感がない」と多くの人が思うかもしれません。
つまり、感情こそが「生きている証拠」であり、人を動かすエネルギーでもあるんです。

深い感情を活かす方法|5つのヒント

ということで、ここからは実際に、感情とどう一緒に生きていくと良いのか、あくまで私自身の考えにはなりますが、5つ共有していきます。

本音に向き合う自己対話をする際の、前提としても活用できます。
簡単に言うと、感情を抑えず、否定せず、味方につけること。
これが大切だと感じています。

① 感情 = 自分だと思わない

まず前提として、感情 = 自分だと思わないことです。

感情はあなた自身を定義するものではありません。
怒りを感じても、悲しみが湧いても、幸せで胸がいっぱいになっても、楽しくてにっこりが止まらなくても。

どんな感情も、あなたの中に一時的に訪れるものであって、それ自体が「あなたの価値」を決めるわけではありません。

たとえ感情が胸いっぱいに広がって、涙があふれてきても。怒りが込み上げて、心がざわついたとしても——

それで、いいんです。
それが「生きている」ということだから。

ここでのポイントは、その感情がどれだけ強くても、それは「あなたのすべて」ではないということです。

② ネガティブ感情にも意味があると知る

私たちは、ついポジティブな感情を求めがちです。心地良いし、幸せですもんね。

一方で、ネガティブな感情は、できるなら遠ざけたいと思ってしまうもの。苦しいし、しんどいし、ついつい他のことで気を紛らわせたり、無理やり「大丈夫」と言い聞かせたりして。

でも実は、どんな感情にも「良い・悪い」は本来ありません。すべてが「あなたの本音」を教えてくれる大切なサインなのです。

だから、ネガティブな感情も、無理に否定したり排除したりしなくて大丈夫。

まずは、「あっていいんだ」と知ってあげることから、始めてみてください🌱


📚 感情を観察するための内観ステップ記事はこちら

③ 無理に抑えない

そして、湧き上がる感情を無理に抑える必要はありません。

とはいえ、道端でいきなり「あいつムカつくーーーー!!!」と叫ぶのは流石に無理かもしれませんが…!

でもその代わりに、湧いてきた感情をじっくり感じてあげる時間を、少しでもとってあげると心は喜びます。

ポジティブな感情なら自然と感じることってできますよね。それと同じように、ネガティブとされている感情も感じてあげましょう。

よく言われているように、感情はただ“感じきる”だけで、数分で和らぐこともあります。

オーストラリアで教えてもらった発散方法

これは、私が以前、オーストラリアの調理師学校に通っていた時の話です。

レストランのキッチンには、大きなウォーク・インの業務用冷蔵庫があるんですが、講師の方がこんなことを教えてくれました。

それからしばらくして、運転中に本当にムカつく事があったんです。そのとき、思い切って車の中で「ムカつくーーーー😤!!!」と叫んでみたら…びっくりするくらいスッキリして、すぐに怒りが昇華されていきました🚙💨

私はその時、トイレの個室でウサギのぬいぐるみを殴るクレヨンしんちゃんのネネちゃんのお母さんを思い出して、ネネちゃんのおかあさんすごいな、あれは実はすごく大事なことだなぁ、と思いました。

ということで、本人に怒りをぶつけられない場合は、誰にも聞かれないところで叫ぶのはおすすめです。

④ 感情は“心のナビ”と捉えてみる

最後に大切なポイントをひとつ。
それは、感情を“サイン”として捉えることです。

例えば、こんなふうに表現されることもあります。

こうした自分の内側の声が叶ったときに現れるのが、ポジティブな感情。
一方で、それに反したことが起こった時に現れるのが、ネガティブな感情です。

つまり、ポジティブな感情もネガティブな感情も、実は、ただ、あなたの本当の声を表現しているだけなんです。

それなら、感情を味方につけて、ヒントとして受け取って、自分自身に聞いてみて、「自分の本当の望み」を知るためのナビゲーションとして活用すれば良いとわたしは思うんです。

そうすることで、「自分の本音」を大切にしながら、さらに選択や行動のヒントにして、人生を生きる事ができるようになっていきます。

おまけ|“ナビ”にする時の注意点

感情をナビとして使うときに、少しだけ意識しておきたいこともあります。

① 欠乏感や不足感や不安が動機となっている場合

それが満たされたときに感じる「嬉しさ」は、純粋な喜びというより、「安堵」に近い感情かもしれません。

感じたものは、「純粋な喜びだったか?」、そもそもの動機は、「純粋なワクワクだったか?」を見極める必要はあります。

ただし、最初は難しいかもしれないので、その時に見極められなくても大丈夫。不足感からだった場合、感情ナビは、後から今度は“違和感”という形でまた教えてくれます。

② 他の人が関係する場面

感情(特に怒りなど)と、衝動的な行動をなるべくセットにしないこと。

誤解のないように言っておくと、ワクワクなどの感情からの衝動って、スピード感ある行動や流れに乗る時にすごく有用ですよね。
ですが、特にネガティブな感情の時の衝動的な行動って後悔すること多くないですか?(私もありますそんな経験…遠い目)

そういう時は、まずは自分の感情に気づいてあげる。そして、感情をちゃんと感じきってから、その人への思いやりも含めて、バランスよく自分の在り方として選んでいく🌱

感情を感じきってから、「じゃあ私はどうしたい?」と問い直すことも時には有用です。

泣いたり、怒ったり、自分の感情を見せられるその人は、あなたにとって特別な存在ではないでしょうか?
感情を見せるのが悪いと言うことではなく、どういう関係やあり方を本当に望んでいるのか、やさしく自分に聞いてみましょう。

このプロセスが、自分の人生を「心から望む方向」に整えていく鍵になります。

📚 本音を探る内省方法の記事はこちら

まとめ | 感情は大切な力

私自身も以前は、「感情が深すぎるのは弱点だ」と思っていました。でも今は、人間らしさの証であり、むしろ強みだと思えます。

感情は、確かに苦しい時もあります。でも、その奥には「私の本音」があると知っているからこそ、感情を否定せず、ヒントとして受け取りながら、自己対話を重ねるようになりました。

もし今、
「感情って厄介だな…」
「振り回されてばっかりだな…」

そんなふうに思っている方がいたら、ほんの少しだけ、視点を変えて、「感情は、自分の味方かもしれない」と見直してみませんか?

それでは、今回も読んでいただきありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう🍵

〈 今回の記事のまとめ 〉
  • 感情を抑えて生きるクセがあるか考えてみる
  • 感情は「人生に彩りをくれるもの」
  • 感情を抑えず、否定せず、味方につける
  • 感情 = 自分だと思わない
  • 感情をじっくり感じてあげる時間を、少し持ってみる
  • 感情は、自分の本当の声
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プロフィール写真

くりちゃん|自己対話ガイド

ブログ・自己対話セッションサービス運営
神奈川県出身、現在は韓国在住。
ブログ「こころの時間」を毎週土曜日9時に更新中。

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